中小企業サポートコラム

2013年2月18日 月曜日

突然の辞表!?精神疾患にまつわる労働問題

こんにちは。スギちゃんです。

本日は精神疾患に関する労働問題を話題にとりあげます。
先日厚労省が精神障碍者雇用を義務化する改正法案を自民党に示したとのニュースにもありましたが(参考URL:http://www.47news.jp/CN/201302/CN2013021301001228.html)精神障碍者の方の求職者数は年々増加しています。
この世情にも影響され、精神疾患に関する労働問題も増加しています。
本日は弊社が携わった事例を一つご紹介いたします。


ケース1:とある事業主様より「従業員から何の前触れもなく、突然うつ病を理由に退職届が提出されました。医師の診断書もあり、本人も退職したいとは言っています。
ですが、会社としては従業員に対する安全配慮義務があると思います。一度休職等の措置をしてから退職手続をした方がよいでしょうか。
ちなみに本人の労働環境が特別過酷であったとか、いじめやパワハラ等のハラスメントがあったという事実は、上司・同僚・本人からも確認できません。」
弊社の答え:積極的に慰留する必要はない。休職等の措置は必要ありません。


すんなり退職させてよいのか!?というご質問ですね。病気が理由での退職という事ですから会社としても責任を感じるでしょう。今回のケースで休職等の慰留措置が必要かどうか考えていきましょう。

①安全配慮義務違反か
 使用者には安全衛生法で、職場における労働者の安全と健康を確保する事が義務付けられています。また労働契約法第5条では、「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。」と、安全配慮義務(健康配慮義務)を明文化しています。
 では安全配慮とは具体的にはどういう事をすればよいかというと、危険物や有害物質への対策はもちろん、メンタルヘルスの面では次記が挙げられます。
■過度な長時間労働の防止
→時間外労働は心身の健康への影響を考えて45時間まで、業務の都合を考慮しても60~70時間までにはおさえましょうという指針がでています。
■ハラスメントは会社にも対応義務があります
→セクハラ・パワハラ・いじめを放置すれば、加害者だけではなく、会社の責任も問われることがあります。

今回のケースでは同じ部署の方からも本人からも、長時間労働やハラスメントの事実は確認できず、安全配慮義務違反があったとはあまり考えられません。


②休職させる必要はあるか
休職制度は、心身の原因で労務提供が難しくなった労働者にいきなり退職を考えてもらう前に、労務提供義務を免除した上休養をとってもらい、復職できるまで回復すれば復職、復職不可能であればその後の事を本人に考えてもらうという
いわば解雇猶予措置として設けている会社が多いです。

ですが、休職制度を利用するのは本人が退職を希望していない場合であり、本人が休職を望んでいないのに会社側からの命令で休職してもらうことはできません。(会社の判断で強制的に、労働者に休職してもらうには就業規則その他契約を整備する必要があります。)



上記①②から判断し、今回のケースでは別段会社側に退職慰留措置をとる必要はないと言えます。
次回をお楽しみに!!

投稿者 社会保険労務士法人中小企業サポートセンター

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